英会話を身につけたいと思ったとき、教室に通う時間や費用のハードルを感じる方も多いのではないでしょうか。そんなときに便利なのが、スマートフォンやタブレットで気軽に始められる英会話アプリです。最近ではAIを活用した対話型アプリや、発音の添削が受けられるアプリなど、さまざまな機能を持つツールが登場しており、自宅でも通勤中でも学習できる環境が整いつつあります。
ただし、数多くのアプリがある中で、自分に合ったものをどう選べばよいか迷ってしまうことも少なくありません。目的やレベル、継続のしやすさなど、ポイントを絞って選ぶことで、無理なく効果的な学習が可能になります。
この記事では、英会話アプリを選ぶ前に確認したい基準や、学習目的別のおすすめアプリ、さらに使い始める際の注意点まで、分かりやすく解説していきます。アプリ選びで失敗したくない方や、これから英語学習を始めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
英会話アプリを選ぶ前に知っておきたいポイント
英会話アプリは手軽に始められる反面、目的に合わないアプリを選んでしまうと、途中で挫折してしまうこともあります。アプリごとに特徴や得意分野が異なるため、選ぶ前に「自分は何のために英語を学びたいのか」を明確にすることが大切です。ここではアプリ選びを失敗しないための基本ポイントを解説します。
学習目的を明確にする
英会話アプリを選ぶ際にまず行うべきことは、自分の学習目的をはっきりさせることです。「なんとなく話せるようになりたい」という気持ちも悪くはありませんが、具体的な目標がないと、途中でモチベーションが下がりやすくなります。目的が明確であれば、自分に合った機能を持つアプリを選びやすくなり、学習の効率も格段に上がります。
たとえば「海外旅行で困らない程度に話せるようになりたい」という人であれば、日常会話や旅行英語に特化したアプリが適しています。一方、「ビジネスで英語を使う機会がある」場合は、商談やメール対応など実務に即した英語が学べるアプリを選ぶ必要があります。また、「TOEICのスピーキング対策をしたい」「ネイティブと自然な会話を楽しみたい」といった目的でも、適したアプリは異なります。
アウトプット中心なのか、インプット重視なのか、自分の学習スタイルも意識するとよいでしょう。学習目的がはっきりしていれば、「どのアプリを使うか」だけでなく、「どの機能を優先的に活用するか」も明確になります。アプリ選びは、まず自分自身の目的を見つめ直すところから始めましょう。
今の英語レベルに対応しているか確認する
英会話アプリを選ぶ際に意外と見落としがちなのが、「自分の現在の英語レベルに対応しているかどうか」という点です。どんなに評判が良いアプリでも、内容が難しすぎたり、逆に簡単すぎたりすると、モチベーションの低下につながってしまいます。自分の理解度や語彙力に合ったレベルで学習をスタートすることが、継続と上達のカギになります。
たとえば、初心者であれば、日本語によるサポートや例文解説があるアプリが安心です。文法や基礎単語の習得から始められるものを選ぶと、学習に対する不安も軽減されます。一方、中級以上であれば、ネイティブ音声のみで進行するアプリや、自動採点機能付きのスピーキング練習アプリなど、より実践的な内容のものが適しています。
最近のアプリには、初回起動時にレベル診断テストを行い、学習内容を自動調整してくれる機能を持つものもあります。これにより、自分に合ったカリキュラムがすぐに始められる点は大きなメリットです。
アプリのレビューや公式サイトの機能紹介だけで判断せず、自分の英語力に合わせて無理なく使えるかどうか、無料体験などを活用して事前に確認しておくことが大切です。
スピーキング練習の有無と練習形式をチェックする
英会話の上達には、聞くだけ・読むだけの学習では限界があります。アウトプット、特に「話す」練習を積むことが不可欠です。英会話アプリの中には、スピーキングに特化したものもあれば、あくまでリスニングや単語暗記中心のものもあります。自分が「話せるようになりたい」と考えている場合は、スピーキング練習機能の有無とその内容を事前にチェックすることが重要です。
たとえば、AIとの音声対話を通じてリアルな会話の流れを体験できるアプリは、発音や反応のタイミングを実践的に学ぶことができます。また、自分の話した音声に対して自動フィードバックをくれる機能があれば、独学でも改善点を把握でき、学習効率が向上します。
一方、録音機能を使って自分の声を確認したり、台本に沿って発話練習をするスタイルのアプリもあります。こうした形式は、発音やリズムの確認に役立ち、初心者にとっては学習のとっかかりになりやすいです。
アプリによってスピーキングの方法はさまざまですので、「自分がやりやすいか」「学びたいスタイルに合っているか」を軸に、使いやすさを重視して選ぶとよいでしょう。
継続しやすい環境か確認する
英会話アプリを選ぶうえで、学習の内容や機能だけでなく、「無理なく続けられる価格かどうか」も大切な判断基準です。月額制や買い切り型、一部機能が無料のフリーミアム型など、アプリによって料金体系はさまざまです。いくら内容が充実していても、料金が高くて継続できなければ意味がありません。
そのため、まずは無料体験が用意されているかを確認しましょう。多くのアプリでは数日〜1週間の体験期間が設けられており、実際に使い心地を試すことができます。この期間中に機能や操作性、自分に合った学習スタイルかどうかをしっかり見極めることが大切です。
また、コストを抑えて学習環境を整える方法として、格安iPadの活用も注目されています。スマートフォンよりも画面が広く、動画やテキストも見やすいため、ストレスの少ない学習が可能です。最近では中古や型落ちモデルで性能の良いiPadが手頃な価格で手に入るようになっており、英会話アプリ専用端末として使う人も増えています。
アプリ選びでは「アプリの料金」だけでなく、「それを快適に使える環境」まで含めて検討することで、学習の質と継続率が大きく変わってきます。自分にとって無理のない範囲で、長く続けられる組み合わせを見つけましょう。
おすすめの英会話アプリ12選!
数ある英会話アプリの中から、自分に合ったものを見つけるのは簡単ではありません。ここでは、目的別に特徴の異なるおすすめアプリを3つのタイプに分けて12個紹介します。AIによる対話型、発音や添削に強いタイプ、総合学習向け、完全無料の言語交換アプリなど、学習スタイルやレベルに応じた選択肢をまとめました。あなたにぴったりの一つを見つけてください。
AI対話型の学習アプリ
英語を「話せるようになりたい」と思っても、いきなり人と話すのは緊張してしまう…そんな方におすすめなのが、AIと会話できる英会話アプリです。対人レッスンとは違い、間違えても恥ずかしくなく、自分のペースで何度でも練習できるのが魅力です。ここでは、スピーキング力を伸ばすのに役立つ、代表的なAI対話型アプリを3つご紹介します。

Speakは、AIとの英会話を通じてスピーキング力を鍛えることに特化したアプリです。単なる「英語の練習」ではなく、「英語で自然にコミュニケーションする力」を育てることを目的としています。実際の英会話に近いテンポややりとりが再現されており、あらかじめ用意されたトピックに基づいてロールプレイ形式の会話を重ねることで、リアルな会話力が養われます。
また、ユーザーの発話に対してAIが即時に反応し、文法や表現の誤りを丁寧に指摘してくれるフィードバック機能が特長です。発音評価もあり、自分の弱点が可視化されるため、ただ「話す」だけでなく、毎回の練習が次のステップに繋がっていきます。定着を促すクイズや復習機能も搭載されており、インプットとアウトプットのバランスが取れたアプリです。英語を使った実践的な会話を、リラックスした環境で継続的に積み重ねたい人におすすめです。

DMM英会話 AIは、オンライン英会話で有名なDMMが提供するAI対話機能で、人間の講師とのレッスンに加えて、好きな時間にAIとの会話練習ができる点が特長です。会話は「日常会話」「ビジネス英語」「旅行英語」など、実際のシーンを想定した豊富なシナリオに基づいて構成されており、目的に応じて使い分けが可能です。
AIとの対話は自然な流れで進行し、途中で詰まっても話しかけ直すことで柔軟に対応してくれます。ユーザーの発言に対するフィードバックは文法だけでなく、言い回しや語彙の幅まで評価されるため、単なる会話練習にとどまらず「どう話せばより自然か」という観点も磨けます。
また、DMMの通常のレッスンと併用することで、AIによる自主練習と講師との実践的なやりとりをバランスよく組み合わせることができるのも魅力のひとつ。時間や予算の制限がある方でも、自分のペースで英会話力を底上げできるツールです。

Cambly AIは、世界中のネイティブ講師とレッスンできるオンライン英会話「Cambly」のサブ機能として登場した、AIによる対話練習ツールです。通常のレッスンでは予約や時間の都合が必要ですが、Cambly AIなら24時間好きなときに会話練習ができ、より柔軟な学習スタイルが実現します。
特に注目したいのは、ネイティブらしい自然な表現や言い回しをAIが再現してくれる点です。単語や構文の正しさだけでなく、「その場にふさわしい言い回しかどうか」といった語用の観点からも評価してくれるため、実際に海外で通じる英語力を身につけたい人に向いています。
また、話した内容は記録され、発音や語順のアドバイスがフィードバックされる仕組みも整っており、独学でも成長を実感しやすい構造です。人と話すのは緊張するけれど、独り言では練習にならない…という方にとって、AIとの自然な対話は理想的なトレーニング手段と言えるでしょう。
発音特化型のアプリ
英会話において、相手に伝わる「発音」は重要なポイントです。文法や語彙が正しくても、発音が不明瞭だと会話が成立しないこともあります。そこで注目されているのが、発音矯正や添削に特化した英会話アプリです。正しい音を学び、聞かれやすい英語を身につけるには、これらのアプリを活用するのが効果的です。ここでは、発音・表現の強化に役立つアプリを3つご紹介します。

SpeakBuddyは、AIとの会話を通じて「話す力」を高めるアプリでありながら、特に発音とスピーキングのバランスを重視している点が特長です。会話シナリオは豊富で、ビジネス・旅行・日常英会話などさまざまなシーンを再現。発話後は、AIが文法・発音・イントネーションを自動でチェックし、即座にフィードバックしてくれます。
また、日本人学習者が苦手とする発音やリズムに焦点を当てたレッスンもあり、発音矯正の第一歩として最適。毎日の学習時間や到達度をアプリが記録し、習慣化もしやすくなっています。初心者〜中級者にとって、会話力と発音を同時に伸ばせるバランスの取れた学習ツールです。

ELSA Speakは、AIによる発音分析に特化したアプリで、ネイティブスピーカーのような発音を目指したい方におすすめです。自分の声を録音すると、AIが音素単位で分析し、どの音をどのように改善すべきかを明確に指摘してくれます。赤・黄・緑で可視化された発音の正確度表示により、どの箇所が聞き取りづらいかが一目で分かります。
また、世界中のユーザーから集めたデータをもとに学習カリキュラムが設計されており、日本人の弱点に合わせた発音トレーニングが組まれているのも魅力の一つ。短時間でピンポイントに練習できるため、忙しい社会人にも使いやすく、リスニング力向上にも効果があります。

Spifulは、日本人のために開発されたAI英語添削アプリで、主に「英作文」や「スピーキング内容の質」を向上させたい人に向いています。ユーザーが発話または入力した英語に対して、文法・表現・語彙の適切さをAIがチェックし、より自然な英語表現に添削してくれます。英語で考える力を養う設計がなされており、単なる正誤判断ではなく、「より伝わりやすくするための改善案」が提案されるのが特長です。
特に、話した内容をそのまま文章に起こしてくれる機能は、アウトプット力の確認にも活用でき、スピーキングの質を段階的に高めたい中級者以上に支持されています。表現力を磨きたい、英語で論理的に話す力をつけたいという方にぴったりのツールです。
総合学習タイプ
英語力をバランスよく伸ばしたい場合には、「スピーキングだけ」「リスニングだけ」に特化したアプリよりも、総合的に学べる設計のアプリがおすすめです。文法、語彙、リーディング、発音、ライティングといった要素を横断的に強化できるため、基礎から応用まで幅広く対応できるのが特長です。ここでは、総合力を育てたい方に向けた代表的な3つのアプリをご紹介します。
Plang

Plangは、AIによるカリキュラム自動設計と、日常会話からビジネス英語まで幅広く対応した多機能型英語学習アプリです。学習者のレベルや苦手分野に合わせて最適な内容が毎日出題される仕組みとなっており、1回10分程度で取り組める構成が忙しい人にも人気です。
スピーキング、リスニング、文法、語彙力まで総合的にカバーしながらも、学習の進捗状況はグラフで可視化され、目標管理も可能。AIが習得度を分析し、復習すべき単元を自動で出してくれるため、効率よく学習できる点も魅力です。英語力を全体的に底上げしたい初〜中級者に向いています。

DiaTalkは、シナリオベースの学習とAI会話練習を組み合わせた英語学習アプリで、日常英会話からビジネス表現まで、実用的な英語を習得したい人におすすめです。特に「対話形式」の設計に力を入れており、読み・聞き・話すのスキルを自然にバランスよく鍛えられます。
一つのトピックに対して、例文確認→リスニング→発話→会話シミュレーションという流れで構成されており、理解と実践を交互に積み重ねる仕組みが秀逸です。録音機能やAIのフィードバックも搭載されており、発音や自然な表現の改善にもつながります。飽きずに続けられる構成で、毎日の習慣化にも役立ちます。

Gymglishは、ユニークなストーリー形式で英語を学ぶことができるアプリで、「楽しみながら学びたい」という人に支持されています。1日1レッスンで完結するスタイルが特徴で、ストーリーの中に文法、語彙、リーディング、リスニング、文化的な背景などが巧みに組み込まれています。
AIがユーザーの正答率や習熟度を分析し、その人の弱点に合わせた内容を次回のレッスンに反映するため、復習効率が高く、自然と英語力が定着していきます。堅苦しい学習が苦手な人でも、ストーリーの展開が気になって続けたくなるような仕掛けがあり、学習が苦になりません。学習歴のある中級者以上に特におすすめです。
言語交換アプリ
「できるだけ費用をかけずに英会話を始めたい」「まずは気軽に試してみたい」という方におすすめなのが、無料で利用できるアプリや言語交換アプリです。料金がかからない分、機能はやや制限されることもありますが、使い方次第では十分に学習効果を得られます。ここでは、初心者やライトユーザーにも使いやすい、無料または無料枠が充実しているアプリを3つご紹介します。

endlessは、シンプルなデザインと完全無料での提供が魅力の英語学習アプリです。主にリスニングとスピーキングの強化に焦点を当てており、学習者の目的に応じてテーマ別に会話練習を行うことができます。たとえば「旅行英語」「カフェでの注文」「自己紹介」など、場面に沿った実用的なフレーズが多く収録されています。
アプリの操作は直感的で、音声とテキストを見ながら発音練習ができるほか、復習機能も搭載。すべて無料で使えるため、英語学習に初めて取り組む人や、他のアプリの補助として併用したい人にも適しています。シンプルながら実践的な構成で、英語に触れる「第一歩」にぴったりのアプリです。

HelloTalkは、世界中のユーザーとメッセージを通じて言語交換ができるSNS型のアプリです。テキスト・音声・録音など複数の形式でコミュニケーションが可能で、ネイティブスピーカーと自然な会話を楽しみながら学べるのが最大の魅力です。文法や表現が正しくない場合には、相手が添削してくれる機能もあり、実践的なアウトプットの場として活用できます。
無料プランでも十分なやりとりが可能で、トピック別チャットルームやタイムライン機能を使えば、英語以外の文化にも触れられます。言語だけでなく人とのつながりも感じられるため、学習が継続しやすくなるのも特長の一つです。「人と交流しながら楽しく学びたい」という方に向いています。

Duolingoは、ゲーム感覚で英語を学べる定番の無料学習アプリです。初心者向けのカリキュラムが充実しており、スキマ時間に1回数分の学習で進められるのが大きな魅力です。単語、文法、リスニング、リーディングを少しずつ組み合わせた構成で、毎日少しずつでも学習を習慣化しやすいよう設計されています。
解答の正誤だけでなく、学習ペースに応じてレベルが上がったり、連続学習日数が記録されたりするため、モチベーションを保ちやすい仕組みが整っています。音声認識による発話練習もあり、基本的なスピーキングの練習にも対応。とにかく「楽しく、気軽に」学びたい方に最適なアプリです。
実際に使う前に知っておきたい注意点
英会話アプリは手軽に始められる反面、自分に合った使い方をしなければ効果が出づらいという側面もあります。思うように続かなかったり、期待した成果が出なかったという声も少なくありません。ここでは、英会話アプリを使う前に知っておきたい注意点を取り上げ、より良い学習体験につなげるためのヒントを紹介します。
自己管理が苦手な人は継続しにくい
英会話アプリは「いつでも・どこでも・自分のペースで学べる」という自由度の高さが魅力ですが、それは裏を返せば「やらなくても誰にも怒られない」環境でもあります。学校や教室のように決まった時間に指導を受けるわけではないため、自己管理が苦手な人にとっては、習慣化しづらく、途中で挫折してしまうリスクが高くなります。
特に、最初はやる気があっても、日が経つにつれて「今日はいいか」「また明日」と後回しにしてしまう傾向がある方は注意が必要です。アプリによっては、連続学習日数の記録機能やプッシュ通知など、継続を後押しする仕組みもありますが、それでも自分で意識して時間を確保しない限り、学習効果は期待できません。
このような場合は、毎日決まった時間に取り組む「学習ルール」をあらかじめ決めておくことが有効です。たとえば「朝の通勤中は必ず10分使う」「寝る前に1レッスンだけやる」といったルーティンを作ることで、学習が生活の一部として定着しやすくなります。自由度が高いからこそ、自分なりの工夫と継続の仕組みづくりが欠かせません。
無料プランには機能制限があることが多い
英会話アプリの多くは無料で始められるため、学習のハードルが低く、多くの人にとって手軽な選択肢となっています。しかし、無料プランには機能制限があることが多く、そのまま継続しても十分な効果が得られないケースもあります。最初は快適に使えていたのに、途中から重要な機能が使えなくなり、学習が中断されるというケースも少なくありません。
たとえば、スピーキング練習ができるのは1日数回まで、フィードバックは簡易表示のみ、AIとの会話履歴が保存されないなど、無料枠では「体験版」に近い使い方しかできないことが多いです。また、広告表示が頻繁に出るアプリもあり、学習の集中を妨げる要因となることもあります。
だからといって、必ず有料に移行すべきというわけではありませんが、「どこまで無料でできて、どの機能が有料なのか」を事前に把握しておくことは大切です。アプリによっては、無料で長く使えるものもあれば、一定の学習効果を得るために有料プランが前提となるものもあります。
継続する上で「機能が足りない」と感じたら、その時点で有料プランを検討するのが現実的な選び方です。納得して使い続けるためにも、最初に「無料の限界」を理解しておくことが、失敗しないコツといえるでしょう。
AIの精度や対応領域に差がある
英会話アプリにおけるAI機能は年々進化しており、対話の自然さや発音のフィードバック精度も向上しています。しかし、すべてのアプリが同じレベルのAIを搭載しているわけではありません。実際に使ってみると、「返答が不自然」「発音の指摘が機械的すぎる」「会話の文脈を理解していない」といった違和感を覚えるケースもあり、AIの精度や対応範囲には明確な差があります。
たとえば、高度な自然言語処理(NLP)を採用しているアプリは、話の流れをある程度理解して対話を進められますが、基本的なパターン会話しかできないアプリでは、少しでも想定外の発言をすると回答が的外れになることもあります。また、スピーキングや発音チェックにおいても、音素単位で細かく指摘してくれるアプリと、簡易的な「正しい/間違い」の判断にとどまるものでは、得られる学習効果がまったく異なります。
さらに、AIが対応できるシーンや語彙もアプリごとに異なります。日常会話には強くても、ビジネス英語やカジュアルな表現には弱いといった偏りがある場合もあるため、自分の目的に合っているかを見極めることが重要です。レビューや無料体験を活用し、AIの精度と対応領域をしっかり確認してから使い始めると、後悔のない選択ができます。
オンライン講師と併用すると効果アップ!
英会話アプリは自主学習にとても便利ですが、スピーキング力や実践的な会話力を本格的に伸ばすには、オンライン講師との併用が効果的です。アプリは何度でも繰り返し練習でき、自分のペースで進められるという利点がありますが、「相手の反応に応じて言い換える」「予想外の質問に答える」といったリアルタイム性や柔軟性は、やはり人とのやり取りにこそ養われる力です。
実際、AIとの会話に慣れたあとにオンライン講師とのレッスンに挑戦することで、事前練習が自信につながり、スムーズに話せるようになったという声も多くあります。特に発音やニュアンス、文化的背景を含むやりとりは、ネイティブ講師との会話でこそ深まる学びです。
講師からのフィードバックを受けることで、自分では気づきにくい癖や弱点を客観的に把握でき、次の学習に活かしやすくなります。アプリで基礎を固め、講師と実践するという使い分けは、効率的かつバランスの取れた学習法です。継続力に不安がある方も、レッスン予約が学習のペースメーカーになり、習慣化につながります。
まとめ
英会話アプリは、学習スタイルや目的に応じて選ぶことで、非常に効果的なツールとなります。AIとの対話機能を活用すれば、自宅で気軽にスピーキング練習ができ、発音添削や総合学習タイプのアプリを併用することで、基礎から応用までバランスよく学習を進めることが可能です。また、無料アプリや言語交換型アプリも、費用を抑えながら実践的な経験を積むには十分な価値があります。
ただし、継続には自己管理やアプリとの相性が大きく影響します。無料プランの制限、AI精度の違いなど、注意すべき点を理解したうえで、実際の利用を始めることが大切です。目的・レベル・環境に合わせて自分に合ったアプリを選び、無理のない学習習慣を作っていきましょう。英会話は「継続」が何よりの力になります。
